飲み会を終えて居酒屋を出たとき。大事な接待を終えて一息つきたいとき。思索にふけりたいとき。今夜の自分時間の供となる1杯、どこで過ごそうか。
止まり木となる場所に迷ったとき、HIDEOUT CLUBアプリが道標になる。アプリを起動させれば自分のいる周辺のバーがすぐに検索できるのだ。プレミアム会員になると毎日1杯無料のウェルカムサービスを受けることも可能だ。
どこにいようと飲みたい呑助にとって、これほどの強力なコンパスを使わない手はない。さっそく未知のバーを探索してみよう。
第14回 Bar VICTORIA(中野)
中野駅北口を出てロータリー正面の中野サンモール商店街に進む。右手の銀座コージーコーナーの手前路地を右折し、突き当たり手前のビルの2階が「Bar VICTORIA」だ。
扉を開けてみると……。おぉ混雑しているが、ラッキーなことにいちばん奥の席だけ空いていた。
さっそくアプリを立ち上げる。ウェルカムドリンクはニッカウヰスキーの『余市蒸留所限定ボトルまたは宮城峡蒸留所限定ボトルをハーフで』ということで、『シングルモルト余市 シェリー&スイート』を選ばせていただくことに。
チビチビやりながら、通されたいちばん奥の席からぐるりと店内を眺めてみる。
キホン、BARは(特にオーセンティックなほど)男が集う場所というイメージがまだまだ強い。が、ここはユニセックスな雰囲気と賑わいを感じる珍しいBARだ。
ぼくの座った奥の席の左上には、フルーツを使ったカクテル5種を手書きしたボードが大きく掲げられている。
その後ろのバックバーにはタリスカーやキルホーマン、ボウモアなどの煙たいシングルモルトがずらり。このギャップがたまらない。
7席のカウンターにはカップルもいれば、一人の男性客もいて、思い思いに飲んでいる。
カウンター席の後ろにはグループ用にテーブル席もあつらえてある。
賑わっている合間をぬって、オーナーバーテンダーの布施義光さんに声をかける。いつもはパートナーのバーテンダーと2人体制だが、今日はたまたま一人で繰り回しているそう。この雰囲気、女性のお客さんも多そうなイメージですね。
「そうですね、カップルでいらしてくださる方も多いです。仕事終わりに一人で、あるいは職場の方とウイスキーを飲まれて、別の日に彼女さんを連れて今度はカクテルを楽しまれる方もいらっしゃいますね」
「もともと私はカクテルに興味があってBARで働き始めて、ウイスキーのほうが後なんです。中野という土地柄、ウイスキーだけというよりは、いろんなシーンで使っていただけるようにしています」
大小さまざまな企業が集まる土地でもあり、一方でここから5分も歩けば住宅街という場所。オールラウンドで雰囲気も両立しているところって、そうそうないからうれしい発見だ。
布施さんは出身地・新潟を振り出しに、東京・新宿のバーに10年ほど勤めた後、ここ中野に店を構えて6年になる。新宿で働いていた25歳のとき、ニュージーランドに1年ほど留学したという経歴の持ち主だ。ある意味「Bar VICTORIA」は、さまざまな土地で経験を積んできた布施さんのキャリアと包容力を体現した店のようにも思える。
ボウモア、タリスカーなど人気のオフィシャルボトルを中心にストック。「世界の銘酒300本以上」という謳い文句に興味があったのだけど、来てみたらカクテルが飲みたくなってしまった。
ボードに書かれているもの以外でも、フルーツだけ選んでいろんなパターンのリクエストにも応じてくれるそうだが。フルーツとスパークリングワインを合わせたカクテル、ちょうど時期物の「あまおうのベリーニ」にしようかな……。
と思ったのだけど、「シソのカクテルはお花もつけてお作りしてますね」という布施さんのひとことに魅かれ、『青じその桜モヒート』をお願いすることに。グラスにシソをつぶしてシソの香りを引き出し、ラムと炭酸水が注がれる。
サーブされたカクテルは、華やかでかわいらしく、フォトジェニック。デートでも盛り上がりそうだ。ストローの付いたカクテルを飲むのは何年ぶりだろう。
ちょうど流れてきたシナトラの「Moon River」を聴きながら、スーッといただく。ほんのり漂う桜の葉の香りが、春を感じさせる爽やかさだ。
最後はシングルモルト『ベンロマック10年』で。微かにスモーキーな香りのするスペイサイドモルトを楽しんでいると、スーツ姿の男性がひとり入ってきた。
送別会帰りで、明日は歓迎会というその男性もフルーツのカクテルもオーダーし、ゆっくり向き合っている。
デートに、接待に、一人のときに。あらゆる場面で重宝するBARが地元にあったら心強いなぁ。しかも商店街の真ん中に、こんな素敵なBARが控えているのだから、まったく油断ならない。
人の住む町でもあり、呑助も満足な街。ちょっぴり羨ましさにかられながら、中野サンモールを後にした。
本日の飲んだお酒
シングルモルト余市 シェリー&スイート ハーフショット(ウェルカムドリンク)
青じその桜モヒート
ベンロマック10年
計2,700円
本日の飲んだお店
Bar VICTORIA
東京都中野区中野5-60-14 土屋ビル2F [地図]
TEL:03-3386-8887
営業時間:17:00~3:00、金・土 17:00~4:00
定休日:年末年始
ウェルカムドリンクとは?
月額1500円のHIDEOUT CLUBプレミアム会員特典の1つで毎日1杯BARで無料サービスしてもらえる機能。
HIDEOUT CLUBスタッフに厳選された東京都内のBAR107店舗で利用することが出来ます。
詳しい説明は以下の記事から。
– 対応BAR100店突破!HIDEOUT CLUBプレミアム会員限定ドリンクパスポートの使い方をご紹介!
https://mg.hideoutclub.jp/2515
これまでの訪問記
– 【BAR訪問記 #13】BAR 伽羅紗(バー ガラシャ)- 渋谷駅近の入りやすいBARは、おしゃべり好きのマスターが楽しく時間を彩ってくれる
– 【BAR訪問記 #12】BAR KEITH(バー キース)- 新宿 歌舞伎町の真ん中にある本格BARは、洋酒通が歓喜するレアな銘柄を多数ストック
– 【BAR訪問記 #11】Bar Espace Rassurants(バー エスパスラシュラン)- 赤坂にある個室付きのバーはモルト愛好家が一度は足を運んでみたいお店
– 【BAR訪問記 #10】BAR Satin Doll(バー サテンドール)- 銀座・新橋でリストに入れておきたい 並木通りのビルにひっそりたたずむ大人の隠れ家
– 【BAR訪問記 #9】Bar CROSS(バー クロス)- 池袋西口公園近くの地下にあるウイスキー好きの勘所をとらえた秘密基地
– 【BAR訪問記 #8】BAR LIVET(バー リベット)- 洋酒ラバーの新宿2軒目リストに入れたい ウイスキー愛に溢れたバーマンのいる店
– 【BAR訪問記 #7】Bar tail(バーテイル)- 高円寺のアットホームなバーは、イチゲンさんでもいつの間にか常連客のような気持ちになる空間
– 【BAR訪問記 #6】EL CALVADOR(エルカルバドール)- 渋谷でオリジナル、スタンダードどちらも楽しめる カクテルをビスポークするBAR
– 【BAR訪問記 #5】バー アイラ島 銀座 – 東銀座で若い飲み手やビギナーの灯台として マスターが静かに守るアイラモルトBAR
– 【BAR訪問記 #4】Ken’s bar京橋本店(ケンズバー)- 八丁堀のここでしか飲めないレアボトルから定番品まで1000本のストック!? バーボンファンなら絶対に行きたい名店
– 【BAR訪問記 #3】Bar Rudies(バールーディーズ)- 渋谷駅から徒歩5分、違いがわかる大人の男女を魅了する隠れ家バー
– 【BAR訪問記 #2】BAR CAPERDONICH(バーキャパドニック)- 新橋のもう1軒!の需要に応えつつ、モルト通も満足させる 呑助を魅了する異空間
– 【BAR訪問記 #1】Bar Virgo(バーヴァーゴ)- 赤坂にいるスコットランド通のマスターがいざなう ウイスキーの奥深い世界