多くの人に名前の知られているスコッチウイスキー「ザ・マッカラン」。
マッカランという名前は聞いたことがあるけど、どんなお酒か知らないという人も多いのではないでしょうか?
マッカランの正式名称は「ザ・マッカラン」。
今回は、そんなザ・マッカランについて紹介します。
Contents
ザ・マッカランとは
世界中で愛されるスコッチウィスキーの名門、ザ・マッカラン。ウイスキー愛好家にはもちろん、ウイスキー初心者でもその名前は耳にしたことはあるはずです。高級ウイスキーであり、製法からこだわり抜かれたその完璧さと気品ある味わいから、「シングルモルトのロールスロイス」と、高級百貨店ハロッズは、刊行したウイスキー読本の中で讃えました。
実はこのマッカラン、ウイスキー初心者にもオススメなウイスキーなんです。
HIDEOUTCLUB MAGAZINEが集計した初心者におすすめのウイスキーランキングでも堂々の2位にランクインしています。
参考記事
– 初心者向けおすすめウイスキーランキング1位から10位を発表!男女で飲むべきウイスキーが違う?!
https://mg.hideoutclub.jp/2389
ザ・マッカランはどこで作られているの?
北海道より少し小さな面積のスコットランドには、100を超えるウイスキーの蒸溜所があります。そしてスコットランド北部のハイランド地方にあるスペイサイド地区。このスペイサイド地区は、スペイ川、デブロン川、ロッシー川の流域の地域で「スコッチウイスキーのメッカ」と呼ばれています。
このメッカ・スペイサイド地区にザ・マッカランの蒸溜所はあります。
なんと、スペイサイドにはスコットランド全土の蒸溜所の半数以上にもなる50以上の蒸溜所が存在するのです。マッカラン蒸溜所が誕生したのは1824年のことです。それまでは密造されてきたウイスキーですが、マッカランはライセンスを取得して、政府登録蒸溜所になりました。
原料はシンプルで、大麦、イースト菌、蒸溜所近くを流れるスペイ川の側にある泉の湧き水のみです。湧き水は軟らかくミネラル豊富で、イースト菌は麦汁を発酵させやすい水なのです。そして、麦芽はマッカラン専用に作られたものだけしか使用しません。
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ザ・マッカランの日本の販売元は?
2018年2月現在、日本ではサントリーが販売しています。
サントリーはマッカランの株式を一部保有しており、オーナーの一社となっています。
ザ・マッカランのエピソードは?
2017年に130年物のザ・マッカランがスイスのホテルで開栓され、1杯110万円で提供されたとのこと。
1杯110万円のザ・マッカランを注文したのは中国人観光客。
当時はとても話題になりましたが、その後、開栓されたザ・マッカランは偽物ではないか、という専門家の指摘が入り、ホテル側が鑑定に出すと声明を発表。
そしてその後、偽物であることが判明したとのことです。
参考記事
– 1杯のウイスキーに110万円 中国人観光客が舌鼓
– 1杯110万円のマッカラン、偽物? 専門家が指摘
– 1杯110万円のウイスキー、偽物と判明
数あるボトルから、初心者がまず選ぶべきボトルは?
ザ・マッカランといえば、徹底管理されたシェリー樽で熟成された原酒のみの味わいの贅沢なシェリーオークシリーズがシリーズとしてはスタンダード、または正統派のボトルです。ドライフルーツを思わせる甘み、舌の上で感じる重厚感、華やかな香りをピュアに楽しめます。
ザ・マッカラン12年
熟成を重ねれば重ねるほど、その風味は深くなりますが、まずは一番若い12年から試してみてはいかがでしょうか。その若さをどう捉えるか、ぜひストレートやオンザロックで、その贅沢な風味を確かめてみていただきたいと思います。もちろん他の飲み方でもザ・マッカランの素晴らしさを存分に楽しでいただけることでしょう。
ザ・マッカラン12年 ファインオーク
ヨーロピアンオークのシェリー樽、アメリカンオークのシェリー樽、バーボン樽と3つのそれぞれの樽で熟成された異なる原酒をかけあわせた新しい味わいのボトリングのファインオークシリーズは、ザ・マッカランをカジュアルに楽しみたいという方におすすめです。ザ・マッカランの華やかさはそのままに、バニラやシトラスの香りが混ざり、複雑でありながらも軽やかな味わいが魅力です。贅沢かつスタイリッシュなハイボールがおすすめです。
ザ・マッカランが称する6つのこだわり
ザ・マッカランには「6つの柱」(シックス・ピラーズ)という、長年の伝統を守り続けるためのコンセプトがあります。つまりは、ザ・マッカランの譲れないこだわりと言えましょう。「6つの柱」と 共にある、ザ・マッカランの魅力をご紹介していきたいと思います。
イースターエルキーハウス
ザ・マッカランを象徴する家、スピリチュアルホーム、イースターエルキーハウスは、蒸溜所が誕生するずっと前の1700年に建てられました。いいことばかりではなく、様々なことが起こったマッカランの歴史を見続けてきました。改装や修復を経て、今なお威厳ある姿でザ・マッカランを見守り、2005年にはゲストルームを設け、よりザ・マッカランに親しむことができるようにもなり、ザ・マッカランのおもてなしの象徴となってます。
スペイサイドで最小の蒸溜釜
ザ・マッカランの蒸溜釜は、スペイサイド地区で最も小さい銅製の蒸溜釜です。銅との接触を考え抜かれて作られたそれぞれに形も大きさも違います。そのこだわりが、マッカランに特有の豊かな風味や芳醇な味わいをもたらしてくれるのです。この蒸溜釜が珍しく、また有名でもあるので、スコットランド銀行の10ポンド紙幣になったほどです。
樽へのこだわり
ウイスキーを熟成させるために使う樽の品質、それこそがザ・マッカランの最大のこだわりです。樽に使う木を自社の森林で伐採をするところから樽づくりは始まります。ザ・マッカランのための樽の完成までには数年の手間をかけており、樽だけで年間26億円以上の投資をしています。2013年にはスコットランドに輸入されているシェリー樽の8割以上がザ・マッカランで利用されています。ザ・マッカランのオーク樽の品質こそが、ザ・マッカランの風味や味わいに貢献しています。
ベスト・オブ・ベスト
素晴らしいシングルモルト「ザ・マッカラン」のために行われる「ファイネストカット」は、新しく生まれるマッカラン全ての出発点と言えるでしょう。ファイネストカットとは、いくつかある蒸溜釜の生まれたてのスピリッツを、熟練の職人がテイスティングし、口当たりや風味でマッカランの原酒になれるかどうかの判断がなされることです。「ザ・マッカラン」のために選ばれるスピリッツは全体のわずか16%、ザ・マッカランはまさに選び抜かれた品質なのです。
無着色がもたらす色彩
丁寧に作られた樽というゆりかごの中で、長く穏やかな熟成という眠りにつくスピリッツ。樽の個性によって出来上がる原酒の色に違いが出るのですが、あの美しい琥珀色は決して着色料で人工的に作られたものではなく、自然に任せた色合いなのです。
職人の思い
ザ・マッカランが「ザ・マッカラン」であり続ける理由は、全ての職人が生み出す比類なき情熱によるものであると言えます。マッカランの職人達は、ウイスキー作りに人生を捧げていることに誇りを持っていると言います。
終わりに
ザ・マッカランのボトルをバーや酒販店で見かけたことはあるかもしれません。そのボトルがそこに至るまでを思い浮かべると、なんと永い時と壮大な背景が隠れていたのでしょう。ぜひ次にザ・マッカランを味わう時には、その壮大な背景に思いを馳せて、心の旅も楽しんでみてはいかがでしょうか。